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睡眠時無呼吸の危険性🚙

睡眠時無呼吸のことが比較的知られるようになった現在でも、これが関与したとされる交通事故🚙は後を絶ちません。それは、自分の症状に気づかず、適切な検査や治療に至っていない人がまだ多いということでもあります。

「いつもの眠気」や「いつものいびき」に、リスク、ひいては交通事故をはじめとする社会的な事故のリスクまでもが潜んでいるということを改めて考えていただきたいと思います。

睡眠時無呼吸による交通事故のリスクについては、国も注意喚起を発信しています。特に事業用自動車を扱う事業者へは、国土交通省が「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル」を作成し、早期発見や治療を促しています(※)。

※国土交通省自動車局: 事業用自動車の安全対策 / 事業者が取り組む安全対策 / 運転者の健康管理: 自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル.[2022年3月閲覧]
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03manual/data/sas_manual.pdf

睡眠時無呼吸が関与した交通・運輸事故の事例

年月・場所 事故状況および判断
2003年2月
岡山県
JR山陽新幹線で運転手が居眠りをしたまま運転。けが人なし。運転手は重症SASと診断。
2004年3月 羽田発山口宇部行きの全日空機機長が居眠り。SASと緊張感の欠如が複合したとして訓戒処分。
2004年9月
広島県
船長が居眠りをしたまま貨物船がコンクリート製護岸に乗り上げ、住宅1戸と空き家が全壊。男性1人が軽傷。
2005年7月
山口県
山口県沖で貨物船が停泊中の液化ガス船に衝突し重油流出。SASを理由に航海士に懲戒処分。
2005年11月
滋賀県
名神高速道路でトラック・バスなどを含む多重事故が発生。男性7人死傷。トラック運転手は重度のSASと診断。
2008年1月
山形県
高速バスの運転手が眠気を催し不安定走行し、乗客がバスを停車させて事故を防いだ。運転手は医療機関で検査を受け、軽度のSASと診断。
2008年3月
愛知県
大型トレーラーが赤信号の交差点に進入。横断歩道を横断中の男性が死亡。運転手は起訴後に重度のSASと診断。
2009年10月
長崎県
遊漁船が岩場に衝突し、釣り客ら3人が死傷。船長がSASであり慢性的な睡眠不足であったことが判明。船長は業務上過失致死傷容疑で熊本地検に書類送検。
2012年4月
群馬県
関越自動車道で走行中のツアーバスが、運転手の居眠りにより防音壁に衝突。乗客45人が死傷。運転手にはSASの所見が確認。
2012年7月
東京都
首都高速湾岸線でトラックがワゴン車に衝突。東京税関職員6人が死傷。トラック運転手はSASと診断。
2015年1月
東京都
路線バスの居眠り運転事故によりバスが電柱に衝突し、19人が重軽傷。SASの検査を受けずに放置し、居眠り運転したことが判明。事故後に中等度のSASと診断。
2016年1月
宮城県
回送中の仙台市営バスが道路脇の水田に転落。乗客は乗っておらず、運転手が軽傷。SASと診断され、経過観察中の事故と判明。

三好規子, ほか: 診断と治療のABC, 最新医学社, 2017; 125-136.

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