そもそも日本の食文化はカビ発酵が根底にあります。
コウジカビ(Aspergillus oryzae, アスペルギルス・オリゼー)は、日本の伝統的な発酵食品に欠かせない「国菌」とも言われる存在です。これを利用した発酵食品には、以下のようなものがあります👇
🍶 コウジカビを使った主な発酵食品
食品 | 説明 |
---|---|
🥢 味噌 | 大豆・米・麦などにコウジカビを加えて発酵。うま味成分(グルタミン酸)が豊富。 |
🍶 日本酒 | 蒸した米にコウジカビを加えて「米麹」を作り、酵母とともに発酵させる。 |
🍚 米麹 | 甘酒や塩麹のもとになる。砂糖を使わず甘みが出るのが特徴。 |
🧂 醤油 | 大豆・小麦をコウジカビで発酵させた「しょうゆ麹」を用いて作られる。 |
🍖 みりん | 米麹を使った甘味のある調味料。煮物や照り焼きに使われる。 |
🥒 漬物(麹漬け) | 米麹で野菜を発酵させたもの。ぬか漬けとは別物。 |
🧁 甘酒 | 米麹で作るタイプはノンアルコールで、栄養豊富。 |
🧬 コウジカビとアレルギーの関係
採血検査で測定する項目は、アスペルギルス、マラセチア、カンジタ、マラセチアです。
そして「コウジカビ」自体がアスペルギルス属に含まれるため、「アスペルギルス」にアレルギー陽性の人は一見心配になるかもしれませんが…
✅ 食品に使うコウジカビ(A. oryzae)は安全性が高く、アレルゲン性は極めて低い
→ 通常の発酵過程では、アレルゲンになる胞子はほとんど残りません。むしろカビ毒(マイコトキシン)を出さない安全な種です。
✅ 通常の発酵食品に含まれるコウジカビは、死菌(加熱殺菌済)であり、アレルギーを引き起こすリスクは非常に低いとされています。
✅ Aspergillus oryzae(麹カビ)自体は毒性や病原性がほぼないため、アレルギーとして検出された「Aspergillus fumigatus」とは異なると考えて良いです。
ただし注意が必要なケースがあります❗
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🌫️ アスペルギルス・フミガータス(A. fumigatus)など病原性のある種に対してアレルギーが強い場合は、医師に相談を。
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🍱 長期保存でカビが生えた発酵食品(腐敗したもの)には別のカビが混入している可能性あり。これは避けましょう。
🧡 つまり
コウジカビは日本食文化に欠かせない「良いカビ」です。アスペルギルスアレルギーがある方も、過剰な心配は不要ですが、体調や反応に変化がある場合はご相談ください。
参考に👇
アレルゲン | 主な場所 | 代表的な症状 | 主な対策 |
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アルテルナリア | 屋外(枯葉、植物) | 喘息・鼻炎 | 落ち葉掃除時マスク・清潔 |
マラセチア | 皮膚(頭皮・首) | 皮膚炎・かゆみ | 抗真菌シャンプー・通気性衣類 |
カンジダ | 腸・口腔・性器 | かゆみ・消化不調 | 甘い物控えめ・腸内環境整える |
アスペルギルス | 室内・空気中 | 喘息・ABPA | 掃除・除湿・空気清浄 |
※ABPA(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症, Allergic Bronchopulmonary Aspergillosis)とは、真菌(カビ)の一種であるアスペルギルス(主にAspergillus fumigatus)に対する過剰なアレルギー反応により、気管支や肺に慢性的な炎症が起こる病気です。