ジュラシックワールドシリーズを見ていていつも違和感を感じるのですが、恐竜と直面した時の登場人物が、テキパキと動けすぎる。
実際、猛獣(最近では熊)と直面したら、ヘビににらまれたカエルのように人間は咄嗟には何もできないものです。
🐻 熊と遭遇したときの生理的反応(耳鼻咽喉科を中心に)
1. 声や発声の変化
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強い恐怖で交感神経が優位になると、喉頭周囲の筋肉が緊張し、声がうまく出ない、かすれる。
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叫ぼうとしても「声が出ない」「声が裏返る」ことがあります。
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急激に大声を出すと、声帯に負担がかかり一時的嗄声(声枯れ)になる場合も。
2. 呼吸の変化
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恐怖により呼吸が速く浅くなる(過換気状態)。
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喉の渇きや気道の乾燥を感じやすくなります。
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過換気が強いと、耳鳴り・めまいを感じることも(内耳の血流が変化するため)。
3. 鼻・耳の反応
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強いストレスで交感神経が働くと、鼻の血管が収縮して鼻が乾燥しやすくなる。
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「耳が詰まる感じ」や「キーンという耳鳴り」は、急激な血流変化や呼吸の乱れに関連。
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一部では、恐怖時に内耳の働きが乱れ、一時的な難聴や方向感覚の喪失を感じることも。
4. のど・飲み込みの異常感
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急なストレスで咽頭・喉頭の筋肉が緊張 → 「喉が締めつけられる」「つばが飲み込みにくい」感覚。
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いわゆるヒステリー(咽喉頭異常感症)のような症状が一時的に出やすいです。
5. 全身反応と耳鼻咽喉科症状のつながり
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恐怖でアドレナリンが放出 → 血圧・心拍上昇 → 内耳や咽喉頭の血流変化。
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その結果、耳鳴り・めまい・声が出にくい・喉が渇くといった反応が一気に現れます。
私は幸いなことに今まで熊と直面したことはないですが、もし、ある日森の中で熊に出会ったら、上記の症状を味わうことになると確信します。仮にその時、手に熊スプレーを持っていたとしても、咄嗟に使用できる自信はありません。