人間が肉食恐竜(ティラノ、ラプトル)、やクマのような猛獣に遭遇したとき、逃げられず硬直してしまう「フリーズ反応」には、実は進化的なメリットあるようです。
肉食恐竜はフィクションですが、最近は熊との遭遇は非常に現実的です。
🧠 フリーズ(硬直)の生理学的意味
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捕食者の注意を引かない
多くの捕食動物は「動くもの」を獲物と認識します。じっと動かず硬直することで、相手に気づかれにくくなる場合があります。
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体を守る時間を稼ぐ
逃げても間に合わない距離では、瞬時に動かないことで次の行動(逃走 or 防御)を考える「わずかな猶予」が得られます。
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心拍数・呼吸が低下し、出血を抑える効果
フリーズ中は交感神経と副交感神経が同時に働き、心拍や呼吸が抑えられることがあります。もし噛まれたり攻撃を受けても、大量出血を防ぐ可能性があると指摘されています。
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「死んだふり」に近い効果
一部の肉食動物は、「弱った獲物」や「動かない獲物」に興味を失う場合があります。フリーズはその延長線上にある行動と考えられます。
耳鼻咽喉科領域での変化(フリーズ時)
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耳:聴覚が鋭敏化し、周囲の物音(枝の折れる音、動物の足音など)に過敏になります。
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鼻:呼吸が浅く静かになり、嗅覚も一時的に研ぎ澄まされます。
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喉:声が出なくなる(声帯が硬直し、叫べなくなる)。これも捕食者に気づかれない効果をもたらす可能性があります。
「フリーズしてしまうのは弱さ」ではなく、進化の過程で人間の体に備わった 生存のための自動反応 なんですね。
※山の中で熊と遭遇した際の対処法でも、
『クマは逃走する対象を追いかける傾向があるので、背中を見せて逃げ出すと攻撃性を高める場合があります。そのため、クマを見ながらゆっくり後退する、静かに語りかけながら後退する、など落ち着いて距離をとるようにします。慌てて走って逃げてはいけません。』とあります。
意外ですが、理にかなっています。