🌀 めまい(vertigo/dizziness)
✅ 定義
自分や周囲が回っている・揺れているように感じる感覚。
「目が回る」「地面がぐるぐる動く」などの訴えが典型です。
一度急性のメニエール病発作を起こすと、この時の恐怖感はトラウマになります。
✅ 原因
主に 内耳(前庭系)や脳幹の異常 によって起こります。
よくある原因例:
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良性発作性頭位めまい症(BPPV)
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メニエール病
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前庭神経炎
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中耳炎や内耳炎
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小脳・脳幹の血流障害(脳梗塞など)
✅ 随伴症状
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耳鳴り・難聴
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吐き気・嘔吐
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動くと悪化する
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頭を動かすとぐるぐるする
🚶♀️ ふらつき(unsteadiness/imbalance)
✅ 定義
まっすぐ歩けない・体が揺れる・足元が頼りないと感じる状態。
「地面がふわふわ」「まっすぐ歩けない」などの訴えが多いです。
✅ 原因
耳だけでなく、脳・神経・筋肉・血圧・心理的要因など多岐にわたります。
よくある原因例:
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小脳や脳幹の病変(脳梗塞、腫瘍など)
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末梢神経障害(糖尿病性など)
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筋力低下・加齢
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起立性低血圧
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不安・パニック障害(心因性ふらつき)
✅ 随伴症状
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足がもつれる・ふらふらする
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倒れそうな不安感
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方向感覚の乱れ
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めまいほどの回転感はない
しかしながら実際のメニエール病では「めまい」も「ふらつき」もどちらも生じます。
ただし、そのタイミングと原因の仕組みが異なります。
🎧 メニエール病における「めまい」と「ふらつき」の関係
🌀 発作期(めまいの最中)
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典型的には激しい回転性めまいが突然起こり、数十分〜数時間続きます。
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多くは内リンパ水腫による内耳(三半規管・前庭)の異常刺激が原因です。
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このとき患者は「天井が回る」「地面がぐるぐる動く」と訴え、吐き気や嘔吐、耳鳴り、難聴を伴うことが多いです。
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この段階がまさに「めまい」です。
🚶♀️ 発作後〜回復期
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発作が収まったあともしばらく、体のバランス感覚が不安定になります。例えるとフェリーなどの船に長時間乗船した後、陸上に下りてもしばらくはふわ~とした『ふらつき感』が残ります。
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これは前庭機能の左右差が残っているためで、頭を動かすとふらつく・まっすぐ歩けないという訴えになります。
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この状態がいわゆる「ふらつき」です。
🧠 言い換えると:
「めまい」=急性期の回転感
「ふらつき」=その後に残る平衡感覚の不安定さ
🧩 慢性化した場合
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メニエール病を繰り返すと、前庭機能が徐々に低下して左右差が固定します。
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その結果、明確な回転性めまいは減っても、持続的なふらつき感(動揺病のような感覚)が残ることがあります。
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特に暗い場所や疲労時に「ふらつきやすい」と訴えるケースが多いです。
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