高齢者の口腔乾燥(ドライマウス)、非常によくある症状です。
生じる原因は、
「加齢そのもの」よりも、複数の要因が重なって起こるのが実態です👅💨
臨床的に整理します🩺
高齢者にドライマウスが多い主な原因
① 薬剤性(実は最も多い原因)💊⚠️
高齢者は多剤併用になりやすく、唾液分泌を抑制する薬が非常に多いです。
経験的に内服薬が5種類を超える方は、口腔乾燥などの、なんらかの副作用が生じる場合が多いです。
代表例👇
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抗コリン作用のある薬
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抗ヒスタミン薬
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向精神薬・抗うつ薬
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抗不安薬
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降圧薬(利尿薬、β遮断薬など)
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パーキンソン病治療薬
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鎮痛薬
👉 本人は薬が原因と思っていないことが多いのが特徴です。
② 唾液腺機能の加齢変化🦷
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唾液腺実質の萎縮
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分泌反応の低下
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咀嚼刺激に対する反応鈍化
👉 「唾液量がゼロになる」わけではないが、
予備能が低下します。
③ 水分摂取量の低下🥤
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トイレが近くなるのを嫌って水分を控える
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嚥下障害への不安
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食事量そのものの減少
👉 慢性的な軽度脱水が起きやすいです。
④ 口呼吸・睡眠関連因子😴
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口呼吸の習慣
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いびき・睡眠時無呼吸
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夜間の口腔乾燥
👉 起床時の「口がネバネバする」訴えにつながります。
⑤ 全身疾患の影響🏥
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糖尿病
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慢性腎臓病
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脳血管障害後
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パーキンソン病
👉 自律神経障害や脱水が関与します。
⑥ 口腔環境の変化🦠
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義歯の長時間装着🦷
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口腔清掃不良
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口腔カンジダ症🍄
👉 乾燥 ↔ 炎症 ↔ さらに乾燥の悪循環に陥ります。
⑦ 心因性・ストレス要因(若い人でも)😟
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緊張
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不安
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抑うつ
👉 自律神経の影響で唾液が減少します。
臨床的に重要な視点🔍
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「年のせい」だけで片づけない
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薬剤歴の確認が最重要📋
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口腔内視診(舌・粘膜・白苔)を必ず行う👀
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ドライマウスでは口腔カンジダ症は必発します。🍄
つまり📝
高齢者のドライマウスは、
薬剤・加齢変化・脱水・全身疾患・口腔環境が重なって起こります。
特に薬剤性が最多であり、口腔内診察を含めた総合的評価が不可欠なのです🩺👅