私は昨日、豊田市博物館で開催中の『深宇宙展』いってきました。
小惑星イトカワの微粒子を拝見してきました。いろいろな点で非常に興味深く、ロマンを感じます。さて、宇宙医学とは
人間が“地球でない環境”でも安全に生き、働き、帰ってこられるようにする医学です。
🌍 宇宙医学が扱う「地球と決定的に違う条件」
宇宙は、人間にとってほぼ敵対的環境です。
① なんといっても無重力(微小重力)
筋萎縮・骨粗鬆症
体液の頭部シフト
前庭機能の破綻(宇宙酔い)
👉 循環・整形・神経・耳鼻咽喉科が根本的に重要視されます。
② 忘れてはいけない放射線
宇宙線・太陽フレア
発がん・中枢神経影響
生殖・遺伝子への影響
👉 放射線医学・腫瘍学・神経科学
③やっぱり 閉鎖・隔離・極限ストレス
展示されていた三人乗りの宇宙ポットの狭さを見て、私は宇宙にいくのは無理だと思いました
例えると、大人3人で、押し入れの中で3日間過ごせ、と言われるようなものです。
狭小空間
長期隔離
睡眠障害・抑うつ・判断力低下
👉 精神医学・行動科学
④ 当然ながら気圧・酸素環境の人工管理
与圧トラブル
EVA前後の急激な圧変化
👉 耳鼻咽喉科・呼吸器・救急医学
🧠 宇宙医学の中身(実際の分野)
🧬 生理・臓器レベル
心血管
筋骨格
神経・前庭
免疫低下
視覚変化(SANS)
🩺 臨床医学
宇宙酔い対策
感染症管理
外傷・救急
薬物動態(無重力で薬がどう効くか)
🛠️ 工学・運用と一体
宇宙医学は医学単独では成立しません。
宇宙服設計
船内環境(騒音・照明・CO₂)
着陸・再突入時の人体耐性
ヒューマンファクター
👉 医学×工学×運用の融合領域
🧑🚀 宇宙医学の最終目的
① 宇宙飛行士の選抜
身体適性
前庭耐性
精神的安定性
② 宇宙滞在中の健康管理
予防が最重要(治療は制限あり)
トラブル=ミッション中断
③ 地球への応用
宇宙医学は「極限環境医学」でもあります。
寝たきり患者の筋萎縮対策
骨粗鬆症
平衡障害リハビリ
🪐 宇宙医学の一番大事な視点
「病気を治す医学」ではなく
「病気を起こさないよう設計する医学」
ここが、通常の臨床医学との最大の違いです。