中耳炎(急性・慢性・滲出性、真珠腫性)
鼓膜の内側にある中耳で炎症を起こした状態です。鼻と耳がつながる耳管を通して細菌やウイルスが移動して感染する急性中耳炎のほか、炎症が慢性的に繰り返されて鼓膜に穴が開く慢性中耳炎、中耳に水が溜まる滲出性中耳炎、鼓膜表面の皮膚の成分が中耳に入り込み固まりを形成する真珠腫性中耳炎があります。
外耳炎
耳(外耳)や耳の穴(外耳道)で炎症を起こした状態です。かゆみや痛み、腫れ、耳だれ(耳漏)などの症状があり、腫れがひどいと聞こえにくくなることもあります。耳のかきすぎや耳そうじのやりすぎによって細菌が入るのが原因。必要に応じて洗浄や消毒などの処置を行うほか、抗生剤や痛み止め・かゆみ止めなどの内服薬を処方します。軟膏や点耳薬などの外用薬も併用します。
耳垢栓塞
耳垢(耳あか)が溜まり、耳の穴(外耳道)を塞いでしまう状態です。音の聞こえが悪くなるほか、圧迫感や耳鳴りなどの違和感もあります。耳垢栓塞が原因で外耳炎を発症するケースもあります。
突発性難聴
突発的に発症する難聴です。聞こえにくくなるほか、耳鳴りやめまい、吐き気などの症状があります。明確な原因は不明ですが、ストレスや不眠など、さまざまな要因が影響すると考えられています。治療にはステロイドや内服薬を使用。治療しても改善が見られないケースもありますが、早めに治療を行うことは重要です。発症した際は、早急に受診するようにしましょう。
メニエール病
耳鳴りや難聴、ぐるぐるとした回転性のめまいを発症します。激しいめまいがする発作期は、吐き気や嘔吐を伴うケースもあります。ストレスや過労、寝不足などに起因して発症する内耳の疾患で、30歳代から50歳代にかけてかかりやすいとされています。めまいは数十分から半日ほどで治まることが多く、耳鳴りや難聴も適切な治療で回復しますが、再発することが多いのも特徴です。
良性発作性頭位めまい症
寝返りやベッドから起きたとき、頭を上げたり、振り向いたときなど、頭を動かした際に特定の位置でめまいが起こります。ぐるぐると回転性のめまいで、吐き気を伴うケースもありますが、音が聞こえにくくなることはありません。安静にしていると1分以内で治まり、頭を動かすと再びめまいが起こります。
前庭神経炎
突発的に激しい回転性のめまいを発症し、数日にわたり続きます。吐き気や嘔吐を伴う一方、耳鳴りや難聴はないのが特徴。めまいの前に風邪症状を発症するケースもあります。平衡感覚にかかわる前庭神経に炎症性の変化が起こった状態で、ウイルスの感染が原因と考えられています。