写真は最新型の『人工内耳』。先端のカールした部分を内耳に埋め込みます。
効果が見込まれ安全に使用するための「適応基準」が定められています。
手術の対象となるかを耳鼻科医や、言語聴覚士と相談し
手術前に十分にガイダンスを受けた上で、
難聴者本人(子どもであれば親)が、手術を受けるかどうかを決定します。
以下に、両側難聴への人工内耳人適応基準の一部を抜粋します(日本耳鼻咽喉科学会)。
子どもの適応基準
- 手術年齢
原則 1 歳以上(体重 8kg 以上) - 療育の前提条件
手術前から術後の療育に至るまで、
家族と医療施設内外の専門職種との一貫した協力体制がとれていること
- いずれかに該当する場合
(1)聴力検査で平均聴力レベルが 90 dB 以上(重度難聴)
(2)上記の条件が確認できない場合、
・6 カ月以上補聴器装用で、装用下の平均聴力が 45dB よりも改善しない
・6 カ月以上補聴器装用で、装用下の最高語音明瞭度(言葉の聞き取り能力)が50%未満
(4)その他、慎重な判断を要するものや禁忌事項に該当しない
成人の適応基準
- いずれかに該当する場合
(1) 裸耳の聴力検査で平均聴力レベルが 90dB 以上
(2) 平均聴力レベルが70dB以上90dB未満で、
補聴器装用の上で、装用下の最高語音明瞭度が50%以下 - 慎重な適応判断が必要なもの
(1)蝸牛に人工内耳を挿入できる部位が確認できない場合
(2)中耳の活動性炎症がある場合
(3)後迷路性病変や中枢性聴覚障害を合併する場合
(4)認知症や精神障害の合併が疑われる場合
(5)言語習得前、言語習得中に失聴した場合
(6)その他、重篤な合併症などがある場合
適応基準は、医学的進歩に応じて3年ごとに見直しがされています。