漢方治療では、消化器疾患に注目し、「脾胃」と呼ばれる機能の低下が重要視されています。この脾胃の機能低下が消化不良や全身の不調を引き起こす可能性があります。消化不良が続くと、体内の水分の停滞や生命力の低下が現れ、だるさや呼吸器の不調などが生じることがあります。
脾胃の機能低下による症状は、大きく4つに分かれます。まず、消化管の動きが弱まり、食欲不振や軟便、四肢のだるさが現れます。改善には、四君子湯や六君子湯といった処方が使われます。次に、動きの低下に冷えが加わったもので、人参湯や附子理中湯が効果的です。三番目は、動きの低下と冷え・熱の関係がからむもので、半夏潟心湯が選ばれます。最後に、消化不良によるもので、平胃散が使用されます。
これらの処方は、患者の個々の症状や体質に合わせて調整され、冷えや熱の要素が考慮されます。漢方治療は、単なる症状の緩和だけでなく、全身のバランスを整え、生命力を取り戻すアプローチを提供します。