めまいや耳鳴りに悩む方への漢方処方について簡潔に説明します。めまいは身体の余分な水が原因と考えられ、水分の代謝異常がめまいや頭痛、むくみ、下痢などを引き起こす可能性があります。『五苓散』という利水剤と呼ばれる漢方薬が、これらの症状を和らげるのに役立ちます。

代表的な利水剤には、新陳代謝が衰えたときに用いる「真武湯」や、立ちくらみや耳の症状に対応する「苓桂朮甘湯」などがあります。また、特定のめまいの症状に対応する漢方薬も存在します。例えば、「沢瀉湯」は回転性のめまいに、そして「半夏白朮天麻湯」は胃腸障害がある体質のめまいに適しています。

一方、「血」が原因のめまいには瘀血と血虚の二つの要因が考えられます。炎症と充血に伴う赤くのぼせるめまいには「黄連解毒湯」が、瘀血の代表的なめまいには「桂枝茯苓丸料」が効果的です。血の循環を改善する「釣藤散」も、めまいや耳鳴りに対する漢方の一環です。

最後に、「水」と「血」の両方が絡んでいる場合もあります。その際には、「当帰芍薬散料」や「苓桂朮甘湯合四物湯」など、両方の処方を組み合わせることで症状の緩和が期待できます。