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上を見上げたり、下を向くと、ぐるぐる回る

🌀 起き上がりで、天井がぐるぐる回る?
「後半規管型良性発作性頭位めまい症」とは

朝、目が覚めて起き上がろうとしたときや
下向いた瞬間に、突然ぐるぐると回るようなめまいが
起きたことはありませんか?

しばらくすると落ち着くものの、また同じような発作が起こると、
「またか……」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。

このようなめまいの原因の一つに、良性発作性頭位めまい症(BPPV)があります。

今回は、良性発作性頭位めまい症の中でも比較的多くみられる
「後半規管型良性発作性頭位めまい症」について、わかりやすく解説します。

👂 良性発作性頭位めまい症とは?

良性発作性頭位めまい症は、頭を特定の方向に動かしたときに、突然めまいが起こる病気です。

耳の奥には、体の回転を感知する三半規管という器官があります。
また、その近くには、体の動きや重力を感じ取る耳石器があります。

耳石器には、カルシウムでできた小さな粒である「耳石」が存在しています。
この耳石が何らかの原因で剥がれ落ち、三半規管の中に入り込むと、
頭を動かした際に内耳の感覚センサーが誤った刺激を受けることがあります。

その結果、実際には回転していないのに、周囲がぐるぐると回っているような感覚が生じます。

これが、良性発作性頭位めまい症の主な仕組みです。

Benign Paroxysmal Positional Vertigo (BPPV) | List of Diseases and Conditions A-Z | Health Lexicon
 
 
 

内耳の三半規管と耳石器。耳石が三半規管に入り込むことが、めまいの原因になります。

🌀 後半規管型は、どのようなめまい?

三半規管には、前半規管・後半規管・水平半規管の3つがあります。

このうち、後半規管に耳石が入り込んで起こるものが、後半規管型良性発作性頭位めまい症です。良性発作性頭位めまい症の中でも、よくみられるタイプです。

主な特徴は次のとおりです。

🔹 寝返りや起き上がりで、強い回転性めまいが起こる

朝、ベッドから起き上がったときや、横になったとき、寝返りを打ったときなどに、天井や周囲がぐるぐる回るような感覚が生じます。

🔹 上を向いたときにも、めまいが起こる

高いところの物を取ろうとして上を向いたときや、洗髪のために頭を後ろに傾けたときなどに、めまいが誘発されることがあります。

🔹 めまいが比較的短時間でおさまることが多い

耳石が三半規管の中を移動するタイプでは、
頭の位置を変えた直後にめまいが起こり、
通常は数秒から1分以内に強い回転感が軽くなることが多いです。
ただし、吐き気やふらつきがその後もしばらく続く場合があります。

Yrsel när man ligger ner | Magnetlabbet
 
 
 
Vertiges au lever : un problème d’oreille ou de tension ? | Medisite.fr
 
 
 
Benign paroxysmal positional vertigo: causes, treatment
 

寝返りや起き上がりなど、頭の位置が変わる動作をきっかけにめまいが起こることがあります。

🔍 どのように診断するのでしょうか?

診断では、まず、
どのような状況でめまいが起こるのか、どのくらい続くのか、
難聴や耳鳴りなどの症状があるかを詳しく確認します。

そのうえで、頭の位置を変えながら眼球の動きを観察する検査を行います。

めまいが起きているときには、本人が意識していなくても、
眼球が一定の方向に動く「眼振」がみられることがあります。

後半規管型では、代表的な検査であるディックス・ホールパイク法などを用い、
頭の位置を変えたときに特徴的な眼振が現れるかどうかを確認します。

症状だけで病型を正確に区別することは難しく、
眼振の方向や現れ方を確認することが重要です。

また、めまいの原因は耳の病気だけではありません。
症状や診察所見によっては、脳や血管の病気などを考慮した追加検査が必要になることもあります。

VisualEyes™ | Dix-Hallpike Test / Maneuver | Interacoustics
 
頭の位置を変えながら眼球の動きを観察し、めまいの原因を調べます。

💡 治療はどうするのでしょうか?

後半規管型良性発作性頭位めまい症では、
入り込んだ耳石を三半規管から移動させるために、
頭や体の向きを順番に変える「耳石置換法」という治療を行います。

代表的な方法が、エプリー法(Epley法)です。

これは、患者さんの頭や体を適切な順序で動かし、
後半規管内にある耳石を本来あるべき場所へ戻すことを目指す治療法です。

病型に合った方法で治療することで、症状の改善が期待できます。

ただし、耳石の位置や状態によって適切な治療法は異なります。
すべてのめまいに同じ方法が有効なわけではなく、
首や背中に問題がある方などでは、体位変換の方法にも注意が必要です。

また、吐き気が強い場合には、症状を和らげるための薬を使用することもあります。

良性発作性頭位めまい症は、自然に改善することもありますが、
めまいが続いて日常生活に支障をきたす場合には、適切な診断と治療を受けることが大切です。

Benign Paroxysmal Positional Vertigo (BPPV): Why It Keeps Coming Back and How to Prevent Recurrence
 
 
 

エプリー法の一例。頭や体の向きを順番に変え、耳石を移動させる治療法です。

⚠️ こんな症状には注意してください

頭を動かしたときに起こるめまいは、すべて良性発作性頭位めまい症というわけではありません。

特に、突然の激しいめまいに加えて、次のような症状がある場合には注意が必要です。

  • 🚨 手足に力が入らない、しびれがある

  • 🚨 ろれつが回らない、物が二重に見える

  • 🚨 立つことや歩くことが急に難しくなった

  • 🚨 今まで経験したことのない激しい頭痛がある

このような場合には、脳卒中などの重大な病気の可能性もあるため、
速やかに救急医療機関を受診してください。

また、突然の難聴を伴うめまいも、早急な耳鼻咽喉科での評価が必要です。

🌿 めまいでお困りの方は、ご相談ください

後半規管型良性発作性頭位めまい症は、寝返りや起き上がりなど、
日常的な動作をきっかけに突然めまいが起こる病気です。

症状が強いと、起き上がることさえ怖くなり、睡眠や仕事、家事などにも影響が出てしまいます。

しかし、原因を正しく見極め、病型に合った治療を行うことで、症状の改善が期待できます。

「朝、起き上がると目が回る」「寝返りを打つと天井がぐるぐる回る」「上を向くとめまいが起こる」
といった症状がある方は、我慢せずにご相談ください。

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