開業前、ある病院の救急外来での、
生涯忘れることができない出来事をお伝えします。
20年以上前のことです。
地元高校生(18)でした。
自宅近くの道路を、
原付バイク🏍でスピードを出しすぎ
カーブで転倒して、救急搬送されてきました。
搬送時にはすでに心肺停止状態。
肺挫傷と数か所の骨折、全身擦過傷が認められました。
一目みた瞬間にすでに救命困難だとわかりました。
それでも約1時間にわたり蘇生処置が続けられましが、
残念ながら、若い命を救うことはできませんでした。
駆けつけてきたお母さんの、
取り乱した悲痛な叫び声は救急外来に響き渡り、
20年以上経った今でも忘れることができません。
交通事故の恐ろしさは、
朝までは元気に過ごしていた息子さんが、
その日のうちに帰らぬ人となることです。
泣き崩れるご家族の姿に、
そのことが心底痛感されました。
交通事故による重症外傷は、
事故の衝撃があまりに大きく、
病院到着時点で、
すでに医療の余地が残されていないことがあります。
事故により、
元気な人の人生は本当に一瞬で変わってしまいます。
数分前まで笑っていた人が重い後遺症を負ったり、
病院で遺体と対面するということが、実際に起こります。
特にバイクは、自動車のように車体で守られていないため、
転倒したら体はダイレクトに道路やガードレールに叩きつけられます。
自動車事故よりはるかにダメージが大きいのです。
私はバイクに乗る方にはぜひヘルメットに加えて、
バイク用防具の装着もお勧めしたいと思います。
ネットで簡単に購入できて、それほど高額なものではありません。
胴体の防具は、致命的な胸部打撲や脊椎損傷のリスクを減らすことができます。
手足の防具も骨折や擦過傷の予防に役立ちます。
アニメのキャラとは違って、
現実の人体ははるかにもろいのです。
「近所までだから」
「少し乗るだけだから」
『暑いから』
『面倒だから』
気持ちはよくわかります。
しかし、事故は遠出をした時だけ起こるのではなく、
その時の高校生のように
自宅近くの慣れた道や、
ちょっとの移動中に生じることが少なくないのです。
自分の命を守ることは、
自分のため以上に、家族のためでもあります。
救急外来で悲痛にくれた親族の姿を見てきた体験者として、
バイクに乗る時には常に防具も着ていただきたいです。
事故は完全には防げませんが、
ダメージは減らすことはできます。
ヘルメットと身体用防具を身につける習慣が、
予期せず突然に訪れる悲劇から、
自身とご家族を守ってくれるかもしれません。🏍️🛡️✨