名作コミック「葬送のフリーレン」、私も全巻、一通り読みました。
いわゆるドラクエのような冒険者パーティーが登場する物語ですが、普通のファンタジー作品と大きく違うのは、勇者たちの冒険が終わったあとから物語が始まる点です。
主人公のフリーレンは、非常に長寿なエルフの少女。彼女にとって、勇者ヒンメルたちと魔王を倒した10年間の旅は、人生の中のほんの一瞬に過ぎませんでした。
パーティー解散から50年後、ふと思い立って旧友たちを訪ねた彼女を待っていたのは、老い、病み、人生の終わりに近づいた仲間たちの姿でした。
つかの間の再会のあと、彼女は仲間たちを次々と看取っていくことになります。
そして勇者ヒンメルの葬儀で、フリーレンはこう呟きます。
「人間の寿命は短いってわかってたのに、なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう」
この言葉には、気づきと深い後悔が込められていました。
私たちも、残された時間が少なくなって初めて、
「もっと知っておけばよかった」
「ああしておけばよかった」
と気づきます。
人は、いつか終わりが来ること自体は理解しています。
しかし、その現実を本当の意味で受け止められるのは、締切や試験前になって初めて本気になるのと同じで、「残り時間」が見えてきた時なのかもしれません。
普段は、時間が無限にあるように錯覚してしまう。だから、大切な人の
気持ちや人生を、もっと知ろうとすることを後回しにしてしまうのです。
だからこそ、
「人間の寿命は短いってわかってたのに、なんでもっと……」
というフリーレンの後悔の言葉は、単なるアニメの名セリフではなく、人生におけるもっとも重要な教訓のひとつとして刺さるのです。
待合室に全巻おいてありますので、どうぞぜひ、ご一読ください。